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ドバイあれこれレポート

前回のインタビュー、世界中から、予想以上にアクセス数が多く、ドバイネットをご覧になられている方々から、もっとドバイの現状や、今後の経済動向について知りたい!と多数のリクエストを頂きました。このことからも、いかにみなさんが「ドバイの今」に関心を持っているのか知ることができました。

そこで、前回のドバイ経済の現状に続き、今回はドバイの様子、暮らしについて、MIRAJグループ会長、福田一郎氏にお話を聞いてきました。


Vol.02:2009年03月23日

Vol.02 : インタビュー : ドバイの様子

ドバイの様子

DN : ドバイネット
福田 : 福田会長

DN :前回の会長とのインタビュー、非常に反響が良かったです。ドバイネットをご覧になられている方々から、もっとドバイの現状や、今後の経済動向について知りたいとの問い合わせも多かったです。前回はドバイ経済についてお話しをして頂きましたので、今回はドバイの様子について教えてください。よろしくお願いします。

福田 : 皮肉かも知れないけど、ファイナンシャル・クランチのおかげで、ドバイが住みやすくなりましたね。

DN : どういう事ですか?

福田 : まず、渋滞が減りましたよね。以前はどこへ行くにも渋滞がひどかったですが、やはり人が減ったので、道路の流れもスムーズになりました。これは非常に良いことですよね。

DN : やはりリストラが原因でドバイの人口が減ったのでしょうか?

福田 : そうですね。金融、不動産、建築関係の会社は、大幅にリストラをしましたので、その影響は大きいです。これらの業種は、ドバイの基幹産業でもあったわけですから、この業界でのリストラは、ドバイの人口減に大きく影響しています。

DN : 以前、建設現場の労働者が解雇されているという新聞記事を読みましたが、リストラをされているのは、主にこれら労働者なのでしょうか?

福田 : 労働者がほとんどということはないですよ。逆に金融や不動産業界では、労働者はいないわけですから。建設業界でも、建設会社そのものが撤退するケースも起きており、労働者のみならず、技術者やマネージメントの社員もリストラの対象になっています。今回のリストラは、上から下まで、ドバイのワークフォース全てのレベルで起きているといえます。

DN : やはり、リストラなどによるドバイの人口減は、ドバイの経済や印象を考えると、マイナスなのでしょうか?

福田 : 単純に考えたらそうでしょう。しかし、渋滞による経済的なロスや、人口過密による環境問題、生活レベルの低下などを考えると、今のように多少人口が減った方が、色々な意味で住みやすいのではないでしょうか。ドバイもこれまでの急激な人口増に、インフラがついていけないという悪循環が、ひとまずリセットされましたので、今回の人口減は、ドバイにプラスに作用すると思っています。

DN : 今後は、ドバイの人口は減り続けるのでしょうか?

福田 : それはないと思います。経済的な不況だけで、ドバイそのものの魅力がなくなったわけではありませんので。観光地としても、引き続き魅力的ではありますし、中東のハブ、インフラや税制など、経済的にもドバイは引き続き魅了的であり、重要な位置を占めています。ドバイにある多くの国際企業も人員を縮小したり、ビジネスのペースを落とす程度で、撤退という話しは聞いていません。ある程度落ち着けば、また人口も増えるでしょう。

DN : 人口減により交通渋滞が減った以外に、他にはどのような変化がありますか?

福田 : ホテル(5スター)の価格もずいぶん下がりました。以前は、一泊AED 2,000 - 3,000は当たり前だったのが、今では、AED 1,000前後で泊まれるようになりましたから。先日もホテルの方とお話しをしましたが、以前は夏と冬で、オフシーズンとピークシーズの2つのレートで計算をしていたものが、今は一年中オフシーズンのレートを提供しているとのことでした。

観光する方にとっては、今は、昨年の1/2, 1/3の価格でホテルに泊まれるわけですから、ドバイへ観光に訪れる良い時期だと思います。観光客にしてもビジネスの出張者にしても、今までドバイのホテルは高く、また予約が一杯で取れないと良く言われていましたが、この問題は一挙に解決しました。

合わせて、ドバイではタクシーがつかまらない、呼んでも来ないと不評でしたが、今ではタクシーは直ぐにつかまるそうです。ホテル価格のみならず、不動産の価格や賃貸も下がってきており、全体的にドバイでの生活は最初にも言いましたように、今回のファイナンシャル・クランチのおかげで大幅に住みやすくなりました。

DN : ドバイのホテルも含めて住環境が良くなったことは良くわかりました。他の点はどうですか?

福田 : 衣食住と住の部分は今、お話しした通りです。衣に関して言いますと、ドバイモールも含め、いくつか新しいモールがオープンしていますし、新しくオープンする予定のモールもあります。またドバイで買えないブランドはないぐらいブティックは沢山ありますので、相変わらずそういう意味では、ドバイはショッピング・パラダイスと言えるのではないでしょうか。国際的なブランドは、基本的に価格を統制していますので、どこで買っても大きな違いはありませんが、カラマやデイラなどに行けば、安いお店も沢山ありますので、上から下まで、各自の懐具合に合ったショッピングが楽しめるかと思います。

食に関しても、新しいレストランが沢山オープンしています。街角の庶民的なレストランから高級レストランまで、バラエティーに富んでいますので、こちらも洋服などと一緒で、各自の懐具合に合ったグルメが楽しめるかと思います。

今まで、住の部分が非常に高かったわけですが、この部分が緩和されたので、総合的に衣食住どれをみても、ドバイは非常に住みやすく魅力的な都市だと私は思います。

DN : 結論として、ドバイは非常に魅力的で住みやすい街ということでしょうか?

福田 : そうですね。何度も言いますが、経済的な不況というのは世界中どこも同じであり、ドバイだけということではありません。この点、目を閉じればドバイは、豊かで、安全で、清潔で、刺激的な街です。適度にコンパクトでもあり、国際的でコスモポリタンな街です。私にとっては本当に魅力的な街で、ドバイに来て、すでに今年で5年目になりますが、今でもドバイに住めることに感謝している毎日です。

DN : 昨今の日本のメディアは、ドバイに対して悲観的でマイナスな報道しかしない中、今日の福田会長のお話しは、それとは全く対照的であり、非常に勇気づけられました。

今日も貴重なお話しをありがとうございました。次回もまたよろしくお願いします。


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